このページではサラリーマンが不慣れな確定申告によって医療費控除を受ける書類作成方法を書いていきます。

サラリーマンにとって確定申告は敷居が高いと思い込み、医療費控除のための確定申告に二の足を踏んでいる方もいらっしゃるかと思いますが大丈夫です!簡単です!

また、確定申告の時期になるとTVの中継で映し出される混み合った各税務署(やその出張所)に行く必要もありません!

「僅か1〜2万円のためにダルそうな作業をしたくないな」と思っている方にこそ、簡単な作業で税金が戻ってくる確定申告の書類作成方法をこのページでチェックしてください!

 

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そもそも医療費控除って?

簡単に言って「1年間でお医者さん(からの薬局も含め)に支払ったお金が10万円を超えると、その超えた分の一部を戻しますよ!」と言うイケてる制度です。(戻ってくる割合は所得により変わります。)

人間ドックの追加オプションや健康増進のためのサプリ等は対象外ですが、妊娠中の定期検診や検査費用、虫歯治療でのセラミックや金歯にも適用されます。

薬局で買った市販の風邪薬もOKですし、在宅の介護保険を使った介護費用もOKです。

詳細は 国税庁の当該ページ をご覧頂くとして、要は、治療のための医療費は医療費控除対象ですし、予防のための医療費は対象外(別の方法での控除もありますが医療費控除と同時に控除されないのでここでは割愛)です。

また、1人で10万円ではなくても家計を共にする家族併せて10万円ですから、割と医療費控除を受ける機会があるのかと思います。

用意する物

申告書類を作成する際に用意する物、用意すると便利な物をリストアップします。

必ず用意する物

  • PC(Mac OSも可!)
  • 複合機プリンター(コピー機能が必要)
  • 電卓(スマホの電卓機能でOK)
  • マイナンバーカード(orマイナンバー通知書&運転免許証等の身分証明書)
  • 病院等の領収書
  • 銀行口座の情報
  • クリップ
  • ホチキス
  • ハサミ
  • 封筒&切手(120〜140円)

※但しプリントアウトする物は全てPDFなのでダウンロードしUSBメモリに入れてコンビニでプリントアウトしたり、必要書類をコンビニでコピーをするのであれば複合機プリンターは必要なし・2〜3往復する必要はあり

出来れば用意したい物

  • 医療費通知(医療費のお知らせ)
  • 付箋紙
  • レターパックライト(青色レターパック)

「医療費控除の明細書」を作成

まずは医療費控除の明細書なる書類を作成します。

確定申告書が請求書とすれば、この医療費の明細書はその名の通り明細書にあたる物です。

明細書をダウンロード

国税庁の当該ページ(PDF) より明細書をプリントアウトします。

明細書に必要事項を記入

ダウンロードした明細書にボールペンで記入をしていきます。
人によっては細かい字を書く可能性もあるのでサインペンではなくボールペンにしましょう。

まずは下図Aに年数を書き、下図Bに自分の名前を書きましょう。
これは皆さん記入してください。

「医療費のお知らせ」を持っている

皆さんが加入している健康保険組合から送られて来る医療費通知(医療費のお知らせ)があると超楽です!

健康保険組合によって毎月送られてきたり年に1回だったり様々なようです。

医療費のお知らせに書いてあるその年の1月1日から12月31日までに発生した医療費(健康保険適用前の高い金額のやつ)と支払った金額を計算して総額を出してください。
医療費の総額(健康保険適用前の高い金額のやつ)を下図Cの部分に、支払い額の総額を下図Dの部分に記入しましょう。

また、生命保険の医療保険や入院保険によって保険金が支払われた場合や、高額療養費制度を使って払い戻しがあった場合は、それらの総額を下図Eの部分に記入しましょう。

但し、注意してほしいのは医療費のお知らせに、以下…

  1. 被保険者の氏名
  2. 療養を受けた年月
  3. 療養を受けた人の氏名
  4. 療養を受けた病院や診療所や薬局の名前
  5. 医療費(健康保険適用前の高い金額のやつ)
  6. 実際に支払った医療費
  7. 保険者の名称

全て記載されているかを確認してください。

全てが記載されていない場合、確定申告における医療費の明細書の書類としては不備になります。

その場合は以下の「医療費のお知らせ」を持っていないをご参照ください。

「医療費のお知らせ」を持っていない

え?聞いてないよ!
確定申告の医療費控除に必要なのって領収書じゃないの?そう聞いてたよ!
医療費のお知らせなんて捨てちゃったよ!

そんな方、多いでしょう。多くないのかな?
僕はこれでした!(笑)

また、医療費のお知らせを持っていても、これは財務省(税務署)と厚生労働省(保険組合)の連携の取れてなさが際立つ事象ですが、医療費のお知らせって毎月発行してくれる保険組合だと3〜4ヶ月遅れの通知ですし、年に1回発行してくれる保険組合だと9月とか10月までしか記載されていない事が多いんですよね…(汗)

そうすると医療費のお知らせだけでは1月〜12月の情報が欲しいのに最後の数ヶ月分が資料として不足してしまいます。

それら医療費のお知らせを捨てちゃった医療費のお知らせで上記7項目の記載が1つでもない確定申告をする時点で数ヶ月分の医療費のお知らせがない等の事例のカバー方法です。

また、健康保険が適用されない歯の治療によるセラミックや金歯を入れた時等も以下をご参照ください。

まずは、領収書が必要なので用意しましょう。

まず、家族(家計を共にしている事が前提)の誰の領収書かを分け、次にそれを各病院ごと・各薬局ごとに分けましょう。
バラバラにならないようにクリップ止めするのが良いです。

分け終えたら、各自各病院ごとに支払った総額を計算します。

例えば夫が山田病院で合計75,340円、妻が山田病院で12,800円、夫が鈴木薬局で35,550円…、のようにそれぞれの総額を出して付箋紙に記入しクリップ止めした領収書の1番上にでも貼っておきましょう。

そうしましたら、誰の医療費かを下図Fに、病院や薬局の名前を下図Gに、下図Hの医療費の区分にチェックを入れて、実際に支払った金額を下図Jに、生命保険や高額療養費制度で戻ってきた金額を下図Kに、それぞれ記入をします。

 

 

同じ病院で診療を受けていても、上記のように夫と妻がそれぞれ診療を受けた場合は分けて記入をします。

同一人物が複数の医療機関で診療を受けた場合(普通これでしょうけど)下図Fの部分は2つ目以降は「同上」で大丈夫です。

なお、領収書は税務署に提出をしませんが、税務署から確認させてとリクエストがあった場合すぐに提出をしなければなりません。

自宅でしっかりと保管をしておきましょう。
ちなみに、保管期間も法律で定められており、提出をしてから5年後の3月15日までとなっています。

つまり、平成29年(2017年)の確定申告を翌2018年2月16日〜3月15日で行いますが、その際の領収書は2023年3月15日までの保管が義務付けられています。

仕上げ

最後に控除額を計算します。
計算と言っても指示に従って書くだけです。

ここで唯一疑問なのが、上図「3. 控除額の計算」のDの「所得金額の合計額」ですが、これは源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を記載してください。
下図の緑部分です。

 

下図は、計算式を行った例となります。
※クリックで拡大します

 

これで記載は終了です。

医療費のお知らせを元に明細を作った場合は、該当の医療費のお知らせ医療費控除の明細書の2枚目に貼り付けましょう。

医療費のお知らせ全てをホチキス止めして、1番下のお知らせと明細書の2枚目をのり付けすればOKです。

但し、この2枚組の明細書自体を後でまた折り曲げて貼り付ける事になるので、厚みを考えて医療費のお知らせの貼り付けは後でも良いかもしれません。
※忘れないように気を付けてくださいね!

最後に医療費控除の明細書の1枚目と2枚目をホチキス止めして明細書の作成は終了です。

確定申告書を作成

こちらは本当に簡単です。
普通のサラリーマンは確定申告書Aを使用します。

まず、 国税庁の当該ページ にアクセスをします。

次に「申告書・決算書 収支内訳書 作成開始」ボタンをクリックします。

 

次の画面では「書面提出」ボタンをクリックします。
※e-Taxが使える人はこのブログを見てないでしょうから…。

 

その後「申告書等印刷を行う前の確認」ページで確認をし終えると次のページは「作成する申告書等の選択」になります。

ここは当然「所得税の確定申告書作成コーナー」「所得税コーナーへ」をクリックです。

 

次のページは「入力方法選択」ページです。

 

通常であれば青ボタンの「給与・年金の方(給与・年金専用)」の「作成開始」をクリックですが、副業などをしていて会社以外からの所得(収入)がある場合は赤ボタンの「左記以外の所得のある方(全ての所得対応)」の「作成開始」をクリックです。

後はもう質問に答えていくだけで終了します。
源泉徴収票のどこを見て記載をすれば良いのか図で解説してくれていますので非常に簡単です。

終了したらバックアップの意味も込めてデータをダウンロードしてプリントアウトしましょう!

必要書類を貼り付け

最後に必要な書類を貼り付けていきます。

源泉徴収票とマイナンバーカード

先程プリントアウトしたばかりの確定申告書Aの3枚目に源泉徴収票の原本とマイナンバーカード(もしくはマイナンバー通知書と運転免許証)のコピーを貼り付けます。

医療費控除の明細書、他

先程プリントアウトしたばかりの確定申告書Aの4枚目の⑦⑧⑨あたりに先程作った医療費控除の明細書を貼り付けましょう。

※今流行りのふるさと納税をしている場合はこのページの③に「寄附金控除関係書類」と言う項目がありますのでここに寄付金の領収書等を貼り付けましょう!

医療費のお知らせを使う場合はこの医療費控除の明細書に医療費のお知らせを貼り付けるのを忘れないように気を付けましょう。

また、PCで作成した場合、上記のように確定申告書Aの3枚目4枚目が書類貼り付け用紙になっていない可能性があります。
「源泉徴収票を貼る場所はあるのに医療費控除の明細書を貼るスペースがない…」と言う可能性もあります。

その際は 国税庁の当該ページ から平成○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書添付書類台紙をプリントアウトして、こちらに各種書類を張って1枚目と2枚目をホチキス止めすればOKです。

押印

確定申告書Aの1枚目右上の自分の氏名の所に押印箇所がありますので押印をしましょう。

これで終了です!

税務署に提出

管轄の税務署に直接提出をする事もできますが、郵送による提出も可能です。
このページの最初にも言いましたが、確定申告時期の税務署(及び出張所)は激混みなので、郵送をオススメします。

レターパックライトで郵送

郵送は普通郵便でも可能ですし、定型サイズの封筒に各書類を折り曲げて入れる事も可能ですが、せっかくの書類ですしA4紙が入る定形外の封筒を用意します。

また、普通郵便ですときちんと配達されたかどうか不安になる方はレターパックライト(青色レターパック・360円)を用意しましょう。

確認した訳ではありませんがレターパック(赤色レターパック)ですと受け取り印が必要になり税務署に迷惑をかける可能性がありますので。

ちなみにレターパックは郵便局や一部コンビニでも販売されています。
都内であればローソンなら割とどこでも置いているようです。

また、レターパックライトは受け取り印が必要ないから「普通郵便と変わらないじゃないか!」と意見を頂きそうですが、郵便追跡機能がありますので安心です。

 

なお、確定申告の書類は信書扱いでないと送っても受け付けてくれないので、ゆうパック・ゆうメール・ゆうパケット等はNGとなります。

封筒に入れる用紙

レターパックライト(もしくは封筒)に入れる用紙は以下の通りです。
※必要書類が貼り付け済みの状態とします

  • 確定申告書Aの1〜4枚目(クリップ止め)
  • 平成○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書添付書類台紙を使った場合はそれも

が必須書類となります。

また、控用の申告書に収受日付印が必要な場合は

  • 120円切手貼り付け済みの返信用封筒(もちろん自分の住所氏名を記載してください)
  • 確定申告書Aの5〜7枚目(クリップ止め・1〜4枚目とは別にクリップしましょう)

も入れましょう。
僕は入れました。

 

ちなみにプリントアウトした確定申告書Aの8枚目にも確認事項が記載されていますので、そちらもチェックしましょうね!

最終チェックを終えたら封をしてポストに投函して終わりです。
あとは3〜4ヶ月後に指定の口座に還付されてくる税金を待ちましょう!

※ちなみに僕は医療費控除と寄付金控除のみの申告だったので2018年は3月8日に投函して4月9日に振り込まれました!

ほら、こんなに簡単!

確定申告と言うと面倒なイメージがありましたが、こんなに簡単なんです。

もちろん、個人事業主の人たちは経費の計算等難しい作業が発生し大変なのかと思いますが、サラリーマンが医療費控除を行うのなんて簡単です。

混んでいる税務署に行く必要もなければ、高価なPCソフトやスマホアプリを買う必要もありません。

もちろん、税理士さんなどに相談して書類を作ってもらうなんて事をする必要もありません。

医療費は出産や手術、歯の治療などで年額トータル10万円を超える事もめずらしくありません。

そんな時は是非とも確定申告にチャレンジしてみてください!

ふるさと納税などの寄付金控除

このページではサラリーマンが確定申告によって医療費控除を受ける際の書類の書き方を説明しましたが、最近流行りのふるさと納税を初めとした寄付金控除も簡単で、基本はこのページの 確定申告書を作成 以降ををご覧頂ければ確定申告ができると思います。

 

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