【2017.10.10 更新】誤字脱字を修正しました
路上の靴磨きは…
路上の靴磨きを利用している方はすぐにやめた方が良いです。
革靴のためです。
これ、何故かと言いますと、街の路上の靴磨き屋さんの殆どが「油性」の靴クリームを使っているんですね。
クリームと言うよりもWAXやグロスなどですね。
革靴マニアは…
一方、革靴が好きで自分でメンテナンスを行い、もちろんそのお手入れグッズにも気を遣っている人たちが使うのが「乳化性」の靴クリームです。
もちろん、油性のWAXやグロスを使う事もありますが、基本となるクリームは乳化性のクリームを使用します。
何故、乳化性のクリーム?
靴磨きの際のクリームって、靴の色を蘇らせたり革を輝かせたりするのが目的の半分、残りの半分の目的は革の保湿なんですね。
革はノーメンテナンスだと固くなってしまって、そこが割れたり裂けたりして使い物にならなくなります。
ですから、革が適度に潤うように保湿をしてあげなければならないんです。
もちろん革は水(水分)に弱いですから、目で見て手で触って潤っているのが分かるようでは革にシミが付いてしまいますよ。
ただ、目で見て手で触って分からなくても革は潤わせなければならないんです。
だから、革に馴染みの良い乳化性クリームを薄く塗るのが、革を長持ちさせる秘訣なんですね。
人間の肌に例える
例えば顔のお肌。
お風呂上がりとか特に女性は保湿のために化粧水をつけますよね?
それはお肌の調子を整えるために内部から潤わせるためですよね。
だから、化粧水をつけて数分後に顔はビチャビチャに濡れていませんよね?けれど、肌は潤っていますよね?。
逆に保湿をしていないと肌が乾燥してガサガサになりますよね。
まさにその感覚が革にも言えます。
では、油性はと言うと…
ところが、油性のWAXやグロスは油なので保湿成分もあるにはあるのですが、それ以上に革が呼吸できなくなるくらい革に馴染まないんです。
当然、革は痛みます。
では何故、街の路上の靴磨き屋さんは油性WAXを使うのか?
理由は簡単で、乳化性クリームよりも見た目が綺麗になるからです。
上記の通りに人間の肌に例えれば、普段全く保湿などせず肌の調子を整えてない、そして化粧を落とさずに寝ている人が、見栄えばかりを気にして化粧を落としていない状態の肌の上に更に厚化粧をしているの同じなんです。
とは言え、革靴次第ですけどね
例えば1足10,000円とか15,000円くらいの革靴1足を毎日履いて、ダメになったらすぐに買い換えると言うスタイルの方は油性クリームで良いと思います。
その方がパッと見は綺麗ですし、その金額帯の革靴の革はいくらお手入れをしてもすぐにダメになりますし、当然革のエイジングも望めません。
逆に30,000円以上する革靴を数足ローテーションを組んで履いていて、1足1足の革靴を長く履くスタイルの方は乳化性クリームを使ってください。
革の持ちが本当に違います!
これが6~70,000円を超えてくると、しっかりメンテをすれば本当に何年も履けますし、新品以上に格好良くなるエイジングした革を楽しめます。
英国の格言
革靴の本場イギリスの格言に「私は安物の靴を買うほど裕福ではない」と言う物があります。
高価な靴はメンテをすれば何年も履けるけど、安価な靴はすぐに駄目になるからしょっちゅう買い換えなければならないから長い目で見ると高くつく、と言う例えですね。
最後に補足
但し、爪先や踵など「甲やサイドに比べて可動が少ない部分(シワが入らない部分)」は艶を出す目的のために油性WAXを使用する事があります。